2013年1月24日木曜日

January 21st (Monday) study, study, study


Arborist(アーボリスト:樹木のspecialist) の試験にむけて勉強中の親方。

ISA(international society of Arboriculture) という団体が主催するその試験に

合格すると国際的に樹木に関わる仕事ができる、Canada的な表現で言うなれば

堂々と専門士として国境を問わずに働けるticket(資格)を持つことができる。

そんなISAは過去3年以上の期間、造園業や樹木に関わってきた人ならば、国籍に

関係なく、試験が受けられるので親方にとってはとても魅力的で、これからの可能性

を広げる良いチャンスだ。


そもそもArboristとは、具体的に何をする人たちなのか?

Girlも親方の勉強を手伝いながら、その仕事の役割を学びました。大きな特徴を挙

げるならば、視野の広さ。

ど素人のgirlが木を見ているときは、地面から上の部分だけだが、Arboristの皆さん

は地面より下に伸びている根や根を取り巻く土、そして1年後、5年後に成長して

いると思う枝や幹まで、木の全体像と将来の姿をいつも意識している。そうしながら、

樹木の個性にあわせて、適切な土壌を作り、植栽、剪定、肥料や病気の管理を

何十年もかけて行っている。

知識も重要ですが、それ以上に経験と根気よく続けていくポジティブな気持ちが

Arboristの仕事には大事だなと思います。青々とした葉をつけて、たくましく生きてい

る木を見ていると元気がもらえるような気持ちになります。Arboristの皆さんはきっと

1番近くでそんな木たちとつながっているのかもしれないです。



試験まであと2週間!!

未来のarboristの皆さん、最後までポジティブにHang on!



2013年1月15日火曜日

January 9th (Wednesday) the wood workers

 
1月からsenior centreの地下にあるwood carpentry club(木工細工)に復帰した
 
親方。冬は庭仕事が出来ないので、暖かい室内で機械を操作しながら自分の
 
好きなもの作りたい。できれば、木工の技術も身につけたい、と願っている親方
 
はかつて、庭師の道に進む直前まで大工の勉強もしていたそう。今まであまり
 
木工の技術を活かす機会はなかったが、senior centreに行ってから見事に
 
返り咲いた。
               ↑親方が廃材をリサイクルして作ったスクリーン。
 

 
じつに興味深いsenior centreの木工クラブ。設備も材料のほとんどが個人や団体か
 
らの寄付で運営されているそうで、木工クラブのメンバー全員(経験豊かなおじいち
 
ゃま)もボランティアでsenior centreの修繕を手伝ったり、バザーで売る作品を製作し
 
たり、時にはビギナーの指導をしたりと、centreの収益を潤している。centreからの視
 
点でみたら設備も労力も莫大な投資なしで、自発的に集まってくるこの不思議な出
 
会いで作られた環境は、なんて運がいいんだと思います。 きっと単なる偶然ではな
 
く、そういう風なかたちになるまでたくさんの人の協力や努力もあったにちがいないで
 
しょう。話はそれますが、物も人の経験も一度役目を終えてからも廻りめぐって新た
 
にその役目をスタートできる場所が見つけられるのだと、しみじみ思います。
 
 
 
親方とgirlが今、木工を教えてもらっているメンバーの中にアールという80代のおじち
 
ゃまがいる。彼は20歳のときにどういう状況かわからないが、電動のこぎりで木材を
 
切っていた時に左手の人差し指から小指までを誤って切断してしまった。「その頃は
 
妻も私もまだ若くて、これから将来があるときだったのに、とても悲しかった」と振り返
 
るアール。その後、彼は電力関係の研究所の仕事に就き、定年まで働いた(木工と
 
はまったく関係のない内容だったそう)。現在は20歳から連れ添った奥様と8人の孫
 
とひ孫までいる大家族の大きな柱だ。
 
アールがどういうきっかけでsenior centreの木工クラブに参加したのか聞かなかった
 
が、彼はいつも周りのメンバーを気にかけながらも冗談を言って、会話を気持ちよく
 
盛り上げ、木工クラブにとって重要な存在感をもっている。彼の言葉はいつも印象的
 
だ。とくに私達がはじめて機械を使うときは、絶対に機械を操作させない、まず隣で
 
見せる、何を注意するべきか本当にわかるまでアールが何度も私たちに代わって、
 
機械を操作して見せてくれる。「機械を使うのは簡単だ。でも危険だということを忘れ
 
ないでほしい」。と左手を見せながら話すその言葉は、彼が今まで乗り越えてきた
 
苦悩や痛みを感じさせてくれる。そんなアールの言葉や行動からは同じような悲しみ
 
を二度と他の人にも起こらないように必死に守ろうとしていることが伝わってくる。
 
彼にしかできないとても意味のある役割だと思います。
 
               ↑ 木工クラブの皆さんが作った作品たち。
 
私もここまでの勇気をだせるかわかりませんが、自分が今までの経験の中で見つけ
 
てきたものを、自分にしかできない役割として誰かの支えになれたらいいなと思いま
 
す。今の親方とgirlのでこぼこ道のカナダ生活も悩みや不安もきっといい経験です。
 
 
最後に今のアールの現実的な役割と悩みは、ここ数週間、私たちの木工作業に付き
 
っきりだったため、娘達と孫達に頼まれた木製のプランター作りがまったく進めてい
 
ないこと(maybe ... or probably)。本当に申し訳ないですが、アールがいてくれたこと
 
に感謝です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2013年1月5日土曜日

January 3rd (thursday) The world is beautiful




January 3rd 最高気温6℃。

薄着で外を歩くCanadianを見てびっくりしたが、温度計を見てさらにびっくり。

今週のEdmontonの空はとても機嫌が良く、暖かい日がつづいています。

こうして穏やかな気持ちで青空を見ていると、私たち生き物は太陽の光にたくさん

支えられているのだなと1人しみじみ感じます。

つい数日前の年末にメトロシアターで今日みたいにしみじみするような映画

「SAMSARA(サンサラ)」を見てきました。去年のアースデーに私たちがメトロ

シアターで見た「Baraka(バラカ)」という映画の第2作目。

今回も監督の力量と個性が十分に表現されていた「SAMSARA」は、一切のtalkや

解説がなく、力強い音楽と映像で世界中の風景を私たちに紹介している。girlの主観

だけでこの映画の雰囲気を表現するなら、宇宙人が地球に観光に訪れて人間の

住む社会を観察しているような視点に見えました。(実際、宇宙人の存在は出てきま

せんでしたが)。とくに世界中の日常でおきている絶えることのない矛盾。

作っては壊し、手に入れては捨てて、守っては傷つける。

自分の今の生活にも当てはまるものも出ていて、何となく虚しくなっていまいました

が、この映画の中の宇宙人の視点のように離れたところから見ると、本当に私達

の住む社会は終わりのないサーキットでぐるぐる回っているように見えます。

もしかしたら、その映画の中にはいつかこのサーキットに新しい出口が出来るのを

待っているのかもしれません。

 
話は変わりますが、girlに暴言をぶつけた女性のその後の話を聞く機会がありま
 
した。(しつこいようですみません)。
 
彼女とじっくり向き合った彼女の上司のシェリーは、彼女が過去にアフガニスタン
 
周辺で生まれ育ったときの話を聞いた。彼女は裕福の家の生まれだったが、外を
 
見れば、「不平等」の現実ばかりで、学校に行けない子供、低賃金で働く大人、
 
暴力を受ける女性たち。彼女の両親も召使に対して、暴言や乱暴な扱いをしていた
 
そうで、そんな中で生まれたときからその現実を見てきた彼女が、疑問をもつのは
 
難しいことだし、人としての常識を育むには、あまりにも環境に問題がありすぎる。
 
実際、彼女のように過酷な環境で育った方達が祖国を追われて、難民としてカナダ
 
に移民している方たちがたくさんいる。
 
彼女自身が理由なく暴言を言ったことを理解するのが難しいのは、きっとこの彼女の
 
育った背景から来ていると思うし、今もこの先も続く可能性がないとは言えない。
 
この話を聞いた後、彼女1人の犯した行為を責めるよりも、もっと深い世界の問題に
 
目を開かせてくれた気がしました。
 
 この世界の問題に新しい解決の糸口をつくるのは、一人ひとりが大切にされる
 
環境だと思います。
 
 今回も話が長くなりましたが、私の今年の目標は、マラソンと怒らないことを努力し
 
ていこうと思います。 今年もよろしくおねがいします。

 

2013年1月1日火曜日

December 29th (Saturday) My great teacthers part3


あけましておめでとうございます。

2012年はカナダ生活を延長して、最初の頃は仕事を続けることに不安はありまし

たが、新しい人達との出会いがあり、またたくさんの方達(遠くからも近くからも)励ま

して頂いたお陰で、1歩成長できたような自信をもつことができました。今はカナダに

少しでも長く住めたことに感謝しています。

親方は、Arborist(木のspecialist)の仕事への興味や意欲がさらに高まり、1月に

Arboristの国際資格の取得を目指して、勉強の日々です。Englishのテキストブック

を使っての独学は、ときどきプチンと思考が切れそうですが、それでも我慢強く続け

ています。

2012年最後の話題は、親方とgirlにとってお世話になった方達の中からキャサリンと

いう女性と私たちの1年間の物語を書きたいと思います。(長いです)。

キャサリンと出会ったのは、私たちがいつもボランティアをしているsenior centreに

あるsewing(裁縫)クラブに彼女とgirlが所属していたのがきっかけだ。60代半ばの

彼女はメンバーの中でgirlの次に若い。(最高年齢は93歳のおばあさん)。



キャサリンは第一印象のときから、優しくて、メンバーの中でとくに気さくに話しかけ

て来てくれた。1年前のクリスマスに、キャサリンが結婚した当初に夫の仕事の都合

でフランスに3年間住んでいたときの話をしてくれた。カナダ生まれのキャサリンは

フランス語はまったくしゃべれなかったが、小学校へボランティアとして手伝ったり、フ

ランス語の授業を受けにいったりと地域に参加していたそうだ。そして今から40年前

のフランスには家庭用の電話が当たり前のようになかったし、冷蔵庫もなかったそ

う。なので、彼女の1番のフランス語の練習場所は、食料品店でお買い物をするとき

だったと笑いながら、買い物の失敗談などを話してくれた。

「言葉が通じないことの不便さはよくわかる」とキャサリンは自身の体験談からgirlと

親方の海外生活の苦労を無意識に察してくれているようだった。

2012年1月

girlは思い切って彼女に以前から編んでみたかった毛糸の靴下を教えてほしいと

尋ねたらところ、彼女は快く了解してくれた。彼女が私用に書き直した手書きの

インストラクションは、シンプルで解りやすく、また彼女の説明のペースもgirlに

合っていて、とても楽しかった。月日は流れ3月が来て、念願の靴下を完成させる

ことができた。キャサリンも教えるのは初めてだったそうで、2人で作った靴下を見

て、とても喜んでくれた。その後、sewing club は初夏から初秋までの短い夏休みに

入り、キャサリンから何度か手紙で慌しく毎日を過ごしているという挨拶が届いた。



2012年9月

夏が終わり、sewing clubが再始動。キャサリンを含め、メンバーとの再会を喜んだ。

今度はキャサリンからgirlにクラフトのnew projectを提案してきた。クリスマスツリー

用のオーナンメント。見本を見て、girlはすぐに挑戦してみたくなった。しかしその時、

キャサリンは夏が終わって、家の事やボランティア活動に少し疲れていた。彼女から

「うちの息子は~が好き」と発達障害を持っている息子の話が自然とよく聞かれるよ

うになった。



2012年12月

キャサリンとのクラフトprojectは続く。途中、girlが暴言事件によりすっかりダウンした

が、メンバーのおばちゃまとキャサリンの励ましにより、立ち直ることができた。とくに

"いじめ"という出来事に敏感なキャサリンはgirlの話をじっくり聞いてくれた。彼女自

身も本来の性格は控えめで他人より自分のペースを大事にしていたが、いじめを経

験してから「自分を守るために変わらなければ」と決意したそう。


2年目のクリスマスの日、キャサリンと彼女の夫と息子と食事をしながら、彼らのこれ

までの生き方をたくさん知ることができた。キャサリンは相変わらず、いつものように

笑顔で冗談が絶えない。「フランスにいた頃は、2人の子供を世話しながらも、ずっと

孤独を感じていた。言葉がわからなかったから、自分の不安をしゃべれる人がほし

かった。(なんてたって電話がなかったし)。でもその孤独が自分の視野を広げてくれ

た。外面だけではなく、内面も見るようになった。そしてカナダにも、慣れない環境で

孤独や不安を感じている人たちの力になりたいと思った」と語る。


そして彼女の1番のgiftは「(発達障害を持って生まれた)息子。彼が私たちに忍耐や

家族で助け合うことの意味を教えてくれた。息子が私に何にでも立ち向う力をくれ

る」。キャサリンの家には、これまで彼女の作ったクラフト、友人からの贈り物、息子

のおもちゃや彼が描いた絵が飾ってあり、温かい雰囲気に包まれていた。1年を通し

て、キャサリンと一緒に作品を作れたことや、たくさんのことを学べたことに本当に感

謝です。私も自分がカナダで体験したことをいつか何かの形で役に立てたらいいな。


いつも私たちを見守ってくれている皆さん、今年もありがとうございました。

2013年も明るく歩いていきましょう。                ごもく親方&girl